鈍色、のちに天色
今日は体育の授業がある。
あたしは、見学するほうがいいか、自習してるほうがいいかと聞かれ、自習するほうを選んだ。
みんなが楽しそうに体を動かしているところなんて、正直あんまり見たくない。
きっと、羨ましいって思っちゃうから。
心に揺らぎが生じちゃうから。
みんなが体操服に着替え、体育館に行く中、あたしは自習道具を持って保健室に向かった。
保健室には、先生がいた。
「あら、上野さん。いらっしゃい」
「こんにちは」
保健室の先生は割とサバサバしてて、あたしはけっこー好きだな。
さっそく、机に教科書とノートを広げる。
自習だから、そんなに真面目にやらなくていいよね?
そう思い、ぼけーっとしたり、気が向いたら問題を解いたり。
そんなことをしてこの時間が終わるのを待った。