鈍色、のちに天色
すると、バタバタと保健室の外から足音が聞こえたと思ったら、そのドアがガラッと勢いよく開かれた。
「せんせー、擦りむいちゃった!……って、あれ? 上野?」
「三上くん?」
入ってきたのは、三上くん。
その腕には確かに擦り傷があって、血が滲んでいた。
見るからに痛そう……。
ここに座って、と先生に促されて、手当てを受ける三上くん。
手当てを受けている間、やっぱりあたしに話しかけてきた。
「上野、ここで勉強してたんだな!」
「うん」
「今何やってんの? うわぁー難しそう」
「こら、ウロウロするな!」
「いてっ。せんせー! ケガ人を叩くってどゆことー?」
「ケガ人なら大人しく手当てされてろ!」
「す、すんませーん」
三上くんってケガしてても三上くんだ。
そのハイテンションさに、思わずため息が出る。