鈍色、のちに天色

踏み込みすぎて余計に避けられてしまうこともあったけど。


俺の思いが楓南に届いたのか、ちゃんと”友達”になれて。



それだけでも満足するべきなのに、朋也の代わりになればって思ってるはずだったのに。



恋愛対象として見てほしくなった。


欲が出てしまったんだ。



そんな俺にも心を開いてくれた楓南。



過去を過去にして前に進もうとしてくれたときは、自分のことのように嬉しかった。




「ありがとう、全部陽希のおかげだよ」




そう言って微笑む彼女が大好きで。


ちょっぴり意地っ張りで真っ直ぐで、大切な人が傷つくことに人一倍敏感。



そんな楓南を守っていきたいと思った。



でも楓南は。



助け合える存在になりたい


肩を並べて歩きたい



そう言った。



楓南らしいと思った。



だから、”守る”んじゃなくて、一緒に同じ道を歩んでいきたい。


そう思った。