鈍色、のちに天色
「全国大会に出ることができたら、伝えたいことがあるんだ!」
俺の気持ちなんて、バレバレだっただろう。
それでも構わなかった。
最後の夏の大会、ずっと目標だった全国大会に出ることができたら。
中学のときから抱き続けてきたこの想いを、ちゃんと伝えよう。
そう決めたんだ。
だけどその数日後。
────キキーーーッ。
信号無視した車が襲ってくる。
体に感じる衝撃、遠くなる意識。
そんな中俺は、
ああ、また楓南が悲しんじまう
ごめんな……
それしか考えられなかった。