鈍色、のちに天色
プロローグ
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:*
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全身で風を感じる。
両方の腿に気合いという鞭を打ち、リズムよく地面を蹴る。
息が苦しくて、無我夢中で足を動かす。
そうして駆け抜けた先、ゴールテープを切る。
駆け寄って抱きついてくる仲間。
みんな嬉しくて、涙が頬を伝っている。
あたしはこの瞬間が好きだった。
────でも今のあたしには、もう感じることのない感覚。
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全身で風を感じる。
両方の腿に気合いという鞭を打ち、リズムよく地面を蹴る。
息が苦しくて、無我夢中で足を動かす。
そうして駆け抜けた先、ゴールテープを切る。
駆け寄って抱きついてくる仲間。
みんな嬉しくて、涙が頬を伝っている。
あたしはこの瞬間が好きだった。
────でも今のあたしには、もう感じることのない感覚。