鈍色、のちに天色
『なあ、楓南。もし明日全国大会出場になったらさ……』
「ん?」
『……って、これは明日言うつもりなんだってー! ごめん、なんでもない! 今の忘れて!』
「う、うん……」
陽希が明日言いたいこと。
それを聞けることを願ってるよ。
『……本当に、頑張るから』
「うん、ゴールで待ってる」
『サンキュ。じゃ、そろそろ寝ないとなー』
「じゃあ、また明日ね」
『おう!』
切れる電話。
ちょっぴり寂しく感じる。
窓の外の、星空を見上げた。
1つのゴール地点が、もうすぐそこまで迫っている。
そこに向かって、一生懸命になるんだ。
ついに、明日──。