鈍色、のちに天色









県大会、当日。



天気は快晴。


ジリジリと灼熱の太陽が照りつける。



晴れてよかった……

でも、熱中症とか気をつけなきゃね。



あたしはマネージャーとして、朝から準備をしている。


大量のバナナを用意したり、ストレッチを見ていたり。



そんなあたしの元に、駆け寄って声をかけた2人の人物。




「よっ、楓南!」



「おねーちゃん、頑張ってるー?」



「紗彩! 南那!」




2人も来てくれたんだ。



紗彩が所属しているソフトボール部も、確かもうすぐ引退だったはず。



南那は紗彩と同じ学校のバレー部に所属していて、同じく夏の大会が近かった。



2人ともその合間を縫って来てくれて、ありがたい。




「陽希の調子はどうなんだよー?」



「すごくいいみたいだよ」



「陽希くんはどこにいるの?」



「えーっと……あ、あそこ」




指を指した先には、バナナを頬張りながらストレッチをしている陽希。



もう……陽希ったら。

食べるのかストレッチをするのか、どっちかにしなよ。



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