鈍色、のちに天色




自然と……いや、三上くんがあたしについてきて、2人で並んで進み始める。




「どーしてここに?」


「まあ、いろいろ……。三上くんは走り込み?」


「そ! 夜とか、部活がない日とか、走ってんだ!」


「そうなんだ……熱心なんだね」



本当、陸上が好きなんだね。




「なあなあ、ちょっと話さね?」


「……?」




断る理由を思いつかなかったあたしは、しぶしぶ頷いた。



あたしは車椅子のまま、三上くんは土手に座り込んだ。



なんだろう? 話って。


急に改まって、逆に怖いよ。


いつもだったら勝手にペラペラ話し始めるのに。



しばらくお互い何も話さないで、川の流れを眺めていた。



太陽の光で反射して輝く水。

綺麗だった。



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