鈍色、のちに天色
突然大きな声を出したあたしに、驚く三上くん。
だけど止められなかった。
「何も知らないくせにっ……本当のあたしを知ろうとしてないくせに! 興味本位であたしに近づかないでっ」
あたしが抱えてるものも、あたしがひどいことしたのも。
全部全部知らないくせに。
あたしはサイテーな人間なんだから、これ以上関わらないでよ。
「お願いだからあたしの中に、踏み込んで来ないでっ!!」
完全なる拒絶。
呆然とする彼を冷たい目で見て、あたしは車椅子を押し進めた。
暗闇の中に小さく細く差し込んできた光。
それを完全に消し去ろうとした。
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