鈍色、のちに天色
『アンタのせいでっ……アンタのせいであの子は死んだのよ!!』
『ごめんなさい……』
『あのとき、アンタが飛び出さなければ……アンタの足さえなければ……っ』
『ごめんなさい……っ』
『もう2度と、その足を使わないでっ!!』
何度も何度も頭を下げるあたしに、あの人のお母さんはそう言い放った。
その言葉に、ハッとする。
……そうだ、この足を使わなければいいんだ。
たくさんの人を不幸にして傷つけたこの足を。
世界で1番大切な人を消したこの足を。
このとき、誓った。
もう2度歩かない。この足を使わない。
そして大切な人も作らない。
そうすればきっと、誰も傷つかないはずだから────。