鈍色、のちに天色




でもしばらくして、雨が強くなってきた。


もうすでに濡れてしまっているけど、これ以上濡れたら風邪を引いてしまいそう。


さすがにこのままじゃもう帰れないと思い、あたしはコンビニに寄った。


傘を買い、コンビニを出たときには、さらに雨が強くなっていた。



帰りにくいけど、早く帰りたい。


傘をさして傘スタンドに固定し、雨の道を通る。



あたしの傍を通り過ぎる、談笑している友達や相合傘をして幸せそうな恋人。


どちらにもあたしにはないもの。



自ら望んだ、孤独。


それなのに最近、それが苦しい思い始めた。



それはきっと、三上くんのせい。


三上くんが、太陽のようにあたしを照らしてくれるから。



光が恋しいと思うようになっちゃったんだよ。



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