鈍色、のちに天色
そんな抵抗は意味なかった。
朋也の姿が煙と化して消えていく。
すると、涙で顔がぐちゃぐちゃになっている、朋也のお母さんがあたしの前にやってきた。
そして、あたしの頬を思いっきりひっぱたいた。
『なんでアンタが泣いてるのよ……アンタのせいで朋也が死んだんじゃない!!』
叩かれた頬より、心のほうが何倍も、何百倍も痛かった。
朋也が死んで傷ついてるのはあたしだけじゃない。
たくさんの人が、悲しみのあまり涙を流している。
そう考えたら、死んでも償いきれないと思った。
あたしは世界で1番大切な人を殺した。
そしてその周りの人の心も殺した。
あたしはたくさんの人を不幸にした、最低で最悪な人間なんだ。