鈍色、のちに天色
「だからね、あたし決めたんだ。大切な人は作らないようにしようって。そうしたら誰も傷つかないって思ったから。だけど……」
温かい太陽の光に触れてしまった。
あたしの決心を揺るがさないでよ、三上くん。
「やっぱり、一人ぼっちは寂しいよ……っ」
ポタポタ、と濡れた制服をあたしの目からこぼれ落ちた涙がまた濡らす。
あたし、三上くんと出会って弱くなった。
……ううん、違う。
あたしは元から弱かった。
ただ、強いフリをしてただけだったんだ。
それに気づいて、鍵で閉ざした心をノックしてくれる人なんて、いなかった。
でも現れちゃったんだよ。
三上くんが親指であたしの涙を拭い、辛そうに顔を歪めた。
「そんな辛い思いをしてることに、気づかなくてごめん」
……なんで。
なんで三上くんが謝るの。