鈍色、のちに天色
からかう紗彩、そしてあたしを無視して2階に上がっていく。
あたしがもう上がることのない2階。
前は2階で、南那と隣の部屋だったけど、あたしが車椅子になってから1階の部屋になった。
それで余計に距離ができてしまった。
「なんだあいつ。最近もっとつれなくなったな。反抗期か?」
「違う、反抗期なんかじゃない……」
全部、あたしのせいなの。
本当は、前みたいに戻ってほしい。
あたしとは仲良くしてくれなくたって、構わない。
だけどお母さんたちとは、仲良い家族でいてほしい。
ごめんね、あたしがちゃんと向き合わなきゃいけないよね。
南那をこれ以上苦しめちゃダメだ。
あたしも向き合うから、南那も向き合って?
前みたいに、笑ってほしいから────。
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