鈍色、のちに天色

修復したいんです。

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次の日、体育の授業。



あたしはいつも通り保健室で自習をしていた。


……いや、自習よりも窓の外を眺めている時間のほうが多かった。



ソフトボールから、サッカーに種目が変わった男子。



太陽の光が差し込むこの保健室で、あたしはぼんやりと眺めていた。



サッカー部の人たちがドリブルで軽快に敵を交わしていく中、三上くんは「へい、パース!」なんて手を上げている。



でも誰もパスしない。



きっと、三上くんが運動音痴なのを知っているからだろう。



あーあ、可哀想……。

走るのは誰よりも速いのにな。



と、思ったら、三上くんの元にボールが来た。




「行くぜー! スーパーウルトラシュート!!」




足を振り上げて、蹴った。……と思いきや、空ぶっていた。



あたしを含めたみんながガクッと肩を落とす。




「あはは~今のは冗談で……もう1回気を取り直して! 行くぞ! 超スーパーミラクルシュート!!」




今度は当たった!

え、でも待って。……後ろに飛んでる!


本当にミラクルだ。

お父さんのこと笑えないじゃないっ。



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