鈍色、のちに天色




「バカヤロー! 何してんだよ、陽希ー」


「わりぃわりぃ」


「お前、ほんっと運動ヘタな? そんでめっちゃネーミングセンスなさすぎ」


「うるせー、それを言うなって!」




ミスしてもバカをやっても、誰も責めない。



むしろみんな笑顔で、三上くんを囲むんだ。




「ふふ、」




すごい。そして面白い。

三上くんって、見てて飽きない。



再開した試合。


始まった瞬間、ボールに足をつまづかせ、盛大にコケた。



えぇ……。

ちょっと、今のはダサい。



なんて本人に言ったら怒られちゃうんだろうな。



これはもうすぐここに来るね。



窓の外に三上くんの姿がなくなったと思ったら廊下から足音が聞こえてきた。


保健室のドアが勢いよく開かれる。



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