鈍色、のちに天色




「ケガしちゃった!」


「知ってる。見てた」


「やっぱ見られてたかー! はずっ」




まあ、もう見慣れたけどね。




「つーか、せんせーは?」


「今日出張なんだって」


「へーえ、じゃあ自分で手当てしなきゃだなー」



長椅子に座った三上くん。



あたしはその横に移動した。




「あたし、手当てするよ」


「えっ、でも……」


「大丈夫、できる。足だけあげてもらえる?」


「あ、うん」




前に、三上くんも手当てしてくれたもんね。


そのお返しってわけじゃないけど、できることはしたいって思ったから。



あたしの言動が意外だったのかな。


三上くん、ちょっと緊張してる。



< 71 / 226 >

この作品をシェア

pagetop