鈍色、のちに天色
「ケガしちゃった!」
「知ってる。見てた」
「やっぱ見られてたかー! はずっ」
まあ、もう見慣れたけどね。
「つーか、せんせーは?」
「今日出張なんだって」
「へーえ、じゃあ自分で手当てしなきゃだなー」
長椅子に座った三上くん。
あたしはその横に移動した。
「あたし、手当てするよ」
「えっ、でも……」
「大丈夫、できる。足だけあげてもらえる?」
「あ、うん」
前に、三上くんも手当てしてくれたもんね。
そのお返しってわけじゃないけど、できることはしたいって思ったから。
あたしの言動が意外だったのかな。
三上くん、ちょっと緊張してる。