鈍色、のちに天色
みんなの気持ちが落ち着いて2人がイスに腰掛けたとき、南那が思い出したように口を開いた。
「そういえば、おねーちゃんのクラスメイトの三上 陽希くんだっけ? あの人のおかげでもあるんだよね、今回の件が解決したのは」
「そうそう。南那が言えなかった本心を、私に言ってくれたのよ。今度ちゃんと、お礼がしたいわ」
「あっ……」
そうだった、三上くんのおかげだよ。
今回の件が解決したすべては。
会いたい。三上くんに、会いたい。
そして言いたいことがあるんだ。
気づいたらあたしはベッドから下りようとしていた。
「ちょ、おねーちゃん!?」
「楓南、どこ行くのよ!?」
「彼……三上くんのところ」
今すぐ、会いたいよ。