鈍色、のちに天色
もう少し話したいことがあるあたしたちは待合室に移動し、三上くんはイスに腰掛けた。
普通に会話を交わしてたんだけど、ふと思った。
そういえば。
「三上くん、学校はどーしたの?」
「あー……サボっちった!」
へへ、と舌を出して笑う。
サボりって、それって。
「あたしがケガしたから……?」
「そっ。あっちゃんせんせーに聞いてさ、大丈夫って言われたんだけど心配だったから」
「だからってサボるなんて……」
「いいんだよ。俺がそうしたかったから」
学校をサボってまで、心配して来てくれたんだ。
それに今はお昼過ぎ。
長い時間、いてくれてたんだ。
三上くんは、あたしにたくさんのことをしてくれたよね。
あたしは三上くんに何ができる?
三上くんは気にすんなって言うんだろうけど。
助けられっぱなしは、イヤだよ。
あたしも、三上くんのために何かしたい。
これからは、お互い助け合える存在になりたい。