鈍色、のちに天色




「では、上野さんは三上くんの隣ねー」




いや、あっちゃん先生。

急に名前を言われても、誰かわからないって。



どの人が三上くん……?



キョロキョロしていると、手をあげて手招きする人が見えた。



その人の隣は、窓側の1番後ろ。

いい席だ。



そこまで行って、隣を見ると。



「あ、」


「また会ったなっ」



さっきの遅刻の男の子だった。


まさか、同じクラス……それも、隣の席になるなんて。



ニッ笑う彼。


あたしは小さく頷いて、男の子の隣の席についた。



それからのHR、あたしは前を見てちゃんと話を聞いていたんだけど……

どうも隣から視線を感じる。



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