鈍色、のちに天色
でも三上くん、待ち構えてるし……
しょうがない。呼ぶしかないか。
「は、陽希……?」
「お、おう」
キンチョーする。
”楓南””陽希”って呼び合うんだね、これからは。
三上く……いや、陽希に”楓南”って呼んでもらいたかったんだ。
心のどこかでは。
陽希もそうだったりして。……なんてね。
くすぐったい気持ち。
お互いに感じてたようで、顔を見合わせて笑った。
────あのね、陽希。
あたし、陽希の力になれるんだったら、なんでもするよ?
今まで助けてくれたっていうこともあるけど、でもね。
それ以上に、”陽希の支えになりたい”
そう思うんだ。
あたしなんて、風に揺られる細い枝のように頼りない存在かもしれない。
だけどあたしはあたしなりに、そっと寄り添うように、陽希の支えになるよ。
そしてなにより。
陽希の傍にいたい。
いつしか、そう思うようになっていた────。
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