鈍色、のちに天色




最近2人はこういう話をする。



これだから女子は……

と、自分も女子のくせにそんなことを考える。



はぁ、と息を吐きながら荷物を置いた。



すると。

────プルルル

電話がかかってきた。



表示された人は、”三上 陽希”。



それに気づいた2人と目が合い、ニヤッとされた。



もうっ……別にそんなんじゃないから!



あたしは半ば投げやりに通話ボタンを押し、スマホを耳に当てた。



小さな機械から聞こえてくる陽希の声。




『あ、楓南?』


「陽希、どうしたの?」




時間的にまだ帰ってる途中だろう。


何の用だろう?




『あのさ、さっき言い忘れたんだけど』


「ん?」


『今度の日曜日、水族館行かね?』


「……えっ」




そ、それは2人きりで……?


つまりデート……いやいや、そんなんじゃないって!



突然のお誘い。

戸惑っていると、あたふたした声が聞こえてきた。



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