鈍色、のちに天色




陽希は10時に来る約束。


まだまだ時間がある。



やっぱり早く起きすぎちゃったな……。




「あ、お姉ちゃん。おはよ、早いね」


「南那、おはよ」


「今日は楽しんできてね〜」


「うん、ありがと」




ニヤニヤ笑う南那を軽くあしらい、部活に見送ったあと、ぼーっとテレビを見ていた。



すると、”ピンポーン♪”と軽快な音が家に響いた。



その音にあたしは我に返り時計を見ると、針は10時を指していた。



あれっ、いつの間にこんな時間に!?


我ながらぼーっとしすぎてたな……。



はぁい、と先に玄関に向かったお母さん。



あたしはカバンを手に持ち、そのあとを追った。



< 98 / 226 >

この作品をシェア

pagetop