鈍色、のちに天色
陽希は10時に来る約束。
まだまだ時間がある。
やっぱり早く起きすぎちゃったな……。
「あ、お姉ちゃん。おはよ、早いね」
「南那、おはよ」
「今日は楽しんできてね〜」
「うん、ありがと」
ニヤニヤ笑う南那を軽くあしらい、部活に見送ったあと、ぼーっとテレビを見ていた。
すると、”ピンポーン♪”と軽快な音が家に響いた。
その音にあたしは我に返り時計を見ると、針は10時を指していた。
あれっ、いつの間にこんな時間に!?
我ながらぼーっとしすぎてたな……。
はぁい、と先に玄関に向かったお母さん。
あたしはカバンを手に持ち、そのあとを追った。