鈍色、のちに天色
「おはよっ、楓南!」
玄関先には、いつも通り太陽みたいな笑顔で手を上げる、陽希の姿があった。
おはよ、と返しながら、陽希の姿をまじまじと見た。
当たり前だけど私服姿の陽希。
少しダメージのはいったジーンズに、青く爽やかなシャツ。
いたってシンプルな服装だけどちゃんと着こなしていて、かっこよかった。
一方あたしは、花柄のワンピースにワンポイントのネックレス。
髪はゆるく巻いてみた。
少しでも可愛く見てもらいたくて。……ってらしくないことも考えた。
お互い私服だなんて、なんだか新鮮。
そしてちょっとだけ照れる……。
「陽希くん、今日は楓南のことよろしくね」
「はい、もちろんです!」
「ふふ、2人とも楽しんできてね」
「「はーい」」