アオイロノヒマワリ ―咲―



でも、私はその場に踏みとどまる。





「良いのか、追いかけなくて?」




「はい」




「何で──日葵が良いなら良いんだが」




どうやら、原田さんは全てを察してくれたらしい。




あれは間違いなく希月だ。




せっかく会えたのに他人の振りをするということは希月にも何らかの事情があるに違いない。




なら、希月が自分から会いに来るまでそっとしておこう。




多分、私の居場所は分かっていると思うし……。




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