アオイロノヒマワリ ―咲―


「……に向かってください」





「え?」





「池田屋に向かってください!本命は池田屋です!」




……言ってしまった。





でも、後悔はない。




きっと言わなかった方が後悔する気がする。




「急いで!近藤さん達が危ない!」





原田さんの腕を掴んで叫ぶと、彼は土方さんの方を見た。




「土方さん」




「分かってる。お前ら、池田屋へ急げ!」





土方さんが駆け出すと隊士達も後を追う。





「日葵、ありがとうな」




原田さんは私の頭を撫でると駆け出した。




お礼を言われることなんかしてないのに……。




私は泣きそうになりながらも彼らを追った。






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