アオイロノヒマワリ ―咲―
「良いでしょ、土方さん!行ってきても!」
「ダメだ。てめぇは怪我してんだから大人しく寝てろ」
「ぶー!土方さんのケチ!」
目の前で会話するのは土方さんと平助君で、かれこれ15分位は同じやり取りをしている。
ことの発端はふと聞こえてきた祭囃子の音だった。
「祇園祭位良いでしょ!向井ちゃん、行ったことないみたいだし!」
平助君は私の名前を出してごり押しする。
そう、今夜は祇園祭が行われているらしい。
だからなのか、行き交う人が祭囃子が聞こえる方へ歩いていっている。