アオイロノヒマワリ ―咲―
「熱なんてないよ。だから──」
「赤い顔して何言ってるんですか!」
私は落ちた手拭いを拾い、それを乗せる前に沖田さんの額に自分のそれを当てる。
目の前の彼は驚いたような顔をしていたけど、それよりも熱が思っていたより高かった。
「熱が高いですね……。喉とかは痛みますか?」
額を離して手拭いを乗せると、沖田さんは「喉は痛くない……」とポツリと言った。
「熱だけみたいですね。少し寝ててください。今、お粥でも作ってきます」
「……いらない。食欲ないし」
「ダメです。夕飯もあんまり食べなかったみたいですし、何か胃にいれないと治るものも治りませんよ」
不服そうに口を尖らせる沖田さんを放置して、私は勝手場へと向かった。