アオイロノヒマワリ ―咲―


「あの……」





すると、遠慮がちな女の人の声がした。





声がにした方を見れば、私達とあまり変わらないくらいの歳の女の子がいた。





「貴女は?」





「あ!この人は此処の娘さんで、実葛さん。俺の命の恩人」




命の恩人?




女の子──実葛さんは大人しそうな人で、おろおろしながら顔を赤くしている。





「恩人ってほどじゃ──」





「いやいや、恩人だよ。何せ、変な親父に襲われそうになってるところを助けてもらったんだし」





え、変な親父?襲われる?





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