アオイロノヒマワリ ―咲―



「何で此処にいないといけないんですか?私一人で──」





「……どんな時代から来たかは知らないけど、この時代は女一人で無事に生きられるような時代じゃないよ」





私の言葉に被せるように、沖田さんがそう言った。





彼の目は私を捉えていて、その目は氷のように冷たい。




ふと、島原でのことを思い出す。




男の力に勝てない私に、見て見ぬ振りをする人達。




今回は土方さんが助けてくれたけど、次そういうことが起きたときに誰かが助けてくれる保証はない。




それに、今回みたいに無理矢理手を掴まれて何処かに連れて行かれ、何をされそうになったり、殺されるかもしれない。





そんなことを思っていたら、自然と襖を開けようとする手が震えた。





< 52 / 343 >

この作品をシェア

pagetop