旅人と老人
*青い目の旅人
寒さの厳しい季節になりました。
老人はかじかむ指をこすり、暖炉に火を付けます。
部屋が暖まってきた頃、扉を叩く音がしました。
老人がゆっくり扉を開けると、瞳の青い男が立っていました。
男の青い目はとても美しく、まばたきの度に光が零れるようでした。
「どうかなさいましたか」
「野宿をしながら旅をしているのですが、今夜は特に冷えるのです。一晩だけ泊めては頂けませんか?」