旅人と老人
少年が用意したのは、彩りの良いサラダとマッシュポテトでした。
料理の向こう側には、満足げな笑顔の少年が居ます。
「本当に料理ができるんだね」
「料理は得意です」
立ち寄った旅人に食事を振る舞ったことは何度もありました。
しかし振る舞われたことなどありません。
老人は少しワクワクしながら料理の並ぶテーブルにつきます。
「君も座りなさい。君と話をしながら食べたい」
少年は少し考えた後、遠慮がちに頷きました。