【完】恋愛モノポリスト
愛しさよりも苦しさの始まり
俺は、翌日の放課後、先パイのいる2年の教室へと向かった。
少し考えて…の決断。
これで、この苦しみから逃れられるなら、それでいいか…なんて。
それくらいの、軽い気持ちだった。
「長谷川先パイ、こないだの話…なんですけど…」
「あ、凌太だ。ふふ。待ってたよ」
先パイは、俺の事を見ると、ふんわりと笑って傍に寄って来る。
教室内にはまだ数人の生徒が残ってて、その内の1人…女の先パイが、俺を見るなり、
「えー!瑶、今度の彼氏バレー部の沢木くんなの?!」
と騒ぎ出した。
それに反応して、溜まってた生徒全員が俺を見る。
そして、ザワつく。
「まじか。あの沢木?やっぱ瑶はすげーなー」
「…?」
俺は訳が分からず、先パイの顔を見る。
でも、先パイはそんなのどこ吹く風で、にっこにっこしてる。
「凌太は気にしなくていいよ。じゃ、行こう?」
「あ、はい…」