【完】恋愛モノポリスト
「…っバカ、だなっ…俺…っ」
何時だって、どんな時だって、どんな場所にいたって…俺はななの事を想ってる。
ななのことだけ考えているんだ。
「早く、ななに逢いたい…」
母さんの事とか、親父の事とか、これからの事…。
考えなくちゃいけない事は山ほどあるというのに。
女々しいくらい、最後に聴いた声が耳から離れてはくれない。
『じゃあ、…また、ね…』
ねぇ、なな。
俺がこのままキミの元へ帰る事が出来なくても、その約束は永久に続いてくれるだろうか?
「必ず、もう一度ななの元へ戻る、から…」
いつになるかは分からない。
もしかしたら、ずっとずっと先のことになるかもしれない。
だけど…。
もしもキミが俺を許してくれるなら。
俺はどんな手を使ってでもキミを手に入れると決めたから。
「なな、…大好き、だよ…」
そう呟いて、瞳を瞑った。
どんな事があっても、心を占めていくのはキミしかいない。
大声で叫ぶんだ。
届けられなくても。
今は届かなくても…。