【完】恋愛モノポリスト
「そうか…じゃあ、ボクの言いたい事も分かる、よね?」
「…うん…」
アンディが何を言いたいのかなんて、一番良く分かってる。
痛いくらいに感じてる。
けど…。
「このままって、訳にはいかないし…」
「そうだね。でも、リョータには決断して貰わないとならない。それが、沢木の為でもあるから」
とん、と肩を叩かれ、俺は下を向いた。
親父の左手は本当に全く力がなかった。
きっと頭を強く打った後遺症なんだろう。
もしかしたら、このまま元に戻る事はないかもしれない。
でも、だからといって、親父はこの仕事を諦めて日本へ帰るような中途半端な人じゃない。
それくらい、仕事に誇りを持っていて、俺たち家族を養おうと必死でいてくれている。