【完】恋愛モノポリスト

分かってる。
分かってるんだ。

だけど、今は思考が上手くまとまらない。


出来るなら、ななの元へ帰りたい。
今、すぐにでも。


それが出来る程、大人でも子供でもない俺は、アンディに一旦病室へ戻るとだけ告げて、ロビーを後にした。


憔悴し切った顔の親父。
沢山の管に繋がれ、行ったり来たりの意識。
きっと、母さんはこのままココに残ると言うだろう。

だけど、俺は?
俺は、このままでいいのか?


勿論、こんな親父を一人残して日本に帰るなんて気にはなれない。
それは、分かってる。


でも。
だけど。
それでも…。



俺はどうしても、ななに逢いたいって思うんだ。

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