【完】恋愛モノポリスト
約一ヶ月くらいぶりの日本。
ふぅっと溜息を吐いて、ななの部屋を見上げる。
そこはもう灯りが消えていて、俺は出来るだけ物音を立てないように家へと入った。
何一つ変わらない、家の中。
ただ、変わったのは…俺を取り巻く環境だけだった。
アンディには、「覚悟を決めた」だなんて、格好いい事を言ってしまったけど。
こんなにも一人が心細いとは思わなかった。
灯りもなく、冷たい部屋に俺は改めて一人で日本に帰って来てしまったんだと…そう、思った。
「学校には、もう…連絡をしてもらってるだろうから…明日の朝にでも…ななに逢おう…」
留学出来る様に学校へ話を付けてくれと頼んだのは俺。
だから、日本に長く居るつもりはない。
じゃないと、焼き切れそうな想いにけじめをつけられそうになかったから。