【完】恋愛モノポリスト
「ねぇ、なな?…もっと、ななが…欲しいって言ったら…それは我侭になる?」
「…っ!そ、そんなこと…ない、けど…」
「ななは、さっき嫌、だった?」
「…そ、そんなわけないっ!」
「じゃあ、いい?」
「ちょ、ちょっと!りょーた、キャラ変わってない?」
「だって、止めなんないよ、好きなんだから…」
そう言いながら、折角かき集めた服を、今度はベッドの下に落としてしまう。
「りょーた…っ」
「だーめ。逃がさない。もう、ななは俺のものだから…俺だけのものだから…」
逃げようとする私のうなじにかぷりと歯を立てて、動きを制する。
りょーたから受けるキスは、まるで甘い毒だ。
痛みさえも、私の心を捉えて放さない。
だから、私の口からも素直な気持ちばかりが滑り出していく。
「好き…好き…だよ、りょーた…」
「俺も、好きだ…なな…」
私の体の全てにりょーたの大きな手が痕跡を残していく。
ねぇ?
幼馴染に戻れない事は分かってるでしょう?
だから、私は…。
「もう、放さない、から…っ」
そう言って、りょーたの背中に自分の精一杯の傷をつけた。