【完】恋愛モノポリスト


「ねぇ…りょーた」

「なに?」

「ものすっごい恥ずかしいんだけど!」

「何が?」


何がって…このガッチリ繋がれた手はなんなんだろう?
しかも後ろから包み込まれるように歩かれるのは、如何なものだろう。
これじゃあ、本当にからかわれるネタを背負っているみたいなもんだ。


「ちょ、りょーた!もう少し離れてよ!」

「やだ」

「子供じゃないんだから!」

「ななが折角この手に入ったんだもん。子供でもいい。一人占めしたい」

「…もー…とりあえず、学校に着くまでだからね!」

「…んー…」

「んー…じゃないの!」

「じゃあ…」

「え?な…っ」



急に狭い路地に連れ込まれて…文句を言う前にキスを落とされる。
呼吸も出来ないくらいの、キスを…。


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