【完】恋愛モノポリスト
第9章「キミの手を放さない」 side:凌太
心と心の重なり
なんだかんだとバタバタして、終わりを告げた3学期。
俺は、留学手続きを終えてすぐに日本を旅立とうとしていたのだけれど。
担任から、「ご両親の意向で、3学期の間だけは日本に滞在しなさいとのことだ」と言われ、そのまま学校へ通い続けていた。
「なぁなぁ、凌太、お前向こう行ったら、そのまんまおやっさんの仕事手伝うわけ?」
仁からそう言われて、少し迷った俺はちょっと考えてからこう答えた。
「んー…親父たちが良いって言えば、学校通おうと思ってるよ」
「まぁ、お前頭良いし。なんとかなんだろ」
ニカっと笑ってくれる仁。
本当は不安で仕方のない俺を気遣って、さらっとフォローしてくれる仁の優しさに心がほっこりした。