【完】恋愛モノポリスト

えっと。
りょーたって、そんなにモテるんだ…?

知らなかった。
幼馴染なのに。
…一番近くにいたのに。

確かに、高校に入ってからのりょーたは、元々やっていたバレーに力を入れて、私と10センチ変わるか変わらないかだった身長が、ぐんっと伸びて今では首が疲れるほど見上げないと目線が合わない程だった。
それに、…これを言うと調子に乗りそうだからあまり認めたくはないけど、顔付きも随分大人っぽくなった気がする。

けど、私の前では相変わらずのタレ耳わんこみたいで。

『なーな』

なんて、嬉しそうに接してたのに…。

「なによ。全然なんにも教えてくれないじゃない…」

なんだか、一人置いてけぼりを食らったみたいで悔しくなる。
そして、二人がいなくなった事を確認してから、きゅっと口唇を噛んで、私はそのまま焼却炉に向かった。


…ていうか、りょーたの好きな人って誰なんだろう?

ずっと一緒にいたのに、そんな話を一度もした事がなかった。
きっと、あいつの事だから、チャラチャラとしてるんだろうけど。


あぁ、なんか胸の辺りがザワザワする。
なんなんだろう、これ?


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