【完】恋愛モノポリスト
そして、翌日の昼休み。
私は昨日の目撃情報を元に、目の前にいる親友に真面目に意見を伺った。
「ねぇ、綾乃はどう思う?」
「えー?それ、凌太くん本人に聞けばいいじゃん。多分、すぐに教えてくれるよー?」
と、興味なさ気にファッション誌を片手にして、チアシード入りのアセロラジュースを飲んでいるのは、中学からの親友である藤倉綾乃(ふじくらあやの)だ。
ブラウンの長いストレートヘアを無造作にかき上げて、ほれ、とりょーたの後姿を指差す。
「うー。聞きたくない。だって、なんか負けた気がするし」
「…勝ち負けの問題じゃないと思うんだケド…」
「だって、あいつがモテるとか、ありえないし」
「あのさ、あんたが知らないだけで、凌太くんかなりおモテになるんですよ?もしかしたら、学年トップ…いや学園トップかもね」
「…?!」