【完】恋愛モノポリスト
そう、綾乃から言われて私は言葉が出て来ない。
あいつ、私に隠れて何してんの?!
なんとなくそんな風に叫びたくなるのを堪えて、りょーたの後頭部辺りを見つけた。
猫っ毛の髪がふわふわしてて、昔から柔らかいんだよね…。
なんて思っていたら、不意をついて、くるり、とりょーたがこっちを向いた。
バチンと合う視線。
すると、心底嬉しそうなりょーたが、何かを口パクで言っている。
何かと思って、怪訝そうな顔をすると、ウィンク付きで、
__すきだよ、なーな
なんてふざけた事を言っていた。
その言葉に、ぶわっと赤くなるけど、それを知られたくなくて、思い切りあかんべぇをする。
__ふざけんな、ばーか!
あぁ、もう。
なんでこう、心とは違う事を口にしてしまうのか…。
本当は色々聞きたい事が山ほどなのに。