【完】恋愛モノポリスト
急に出てきたりょーたの名前に、焦る自分。
それがなんでなのかはよく分からないけど…とにかくなんかムカついた。
そんな時に限って、あいつは声を掛けてくる。
「ななー?」
「げ。りょーた。なによ?」
「相変わらず、酷い反応。でもそういうななもすきだよ」
「はぁ?あんたもバカじゃないの?!」
「えー?なんでそんなに怒ってんの?」
「もー!近寄るな!チャラいのが感染る!」
げしげしと足でりょーたの上履きのさきっぽを踏んで暴れるも、こいつは全く気にせずにこにこしてて更にムカついて。
それに気を取られていて、その様子を傍から見ていた綾乃が、ぽつり。
「……ばか、ねぇ?…てか、さっさと気付けばいいのに…」
なんて言っているなんて微塵も思わなかった。