【完】恋愛モノポリスト
懇願する赦し
あの後、何度か綾乃ちゃんと仁が協力してくれて、ななとの話し合いの場を持ってくれたのだけど…。
ななは、俺が視界に入るなり瞳を伏せて、ぶっきらぼうに、
「なに?」
と言うだけで、あまり話を聞いてくれなかった。
俺はそんなななの態度に心がすっかり折れてしまい、全然自分の気持ちを言葉に出来なくて、折角の協力も虚しくすれ違う日々が続いてた。
「せめて、"応援するよ"ってだけでも言いたいんだけどな…」
そう呟いて、俺は机に突っ伏す。
本当は応援なんかしたくないし、そんな内容でななとの会話がしたい訳じゃなかった。
だけど、今の俺ではどうすることも出来ず。
「泣きそう…」
溜息と一緒に漏れた言葉はやけに切なかった。