【完】恋愛モノポリスト
思わず、そう口が動いてた。
その言葉の意味を、少しの間考えて理解したのか、ななは驚いたような顔をして、俺の顔をジッと見ていたけど。
「凌太、どうした?」
「え…?あ、うん。何でもないよ?」
声を掛けてきた仁に、そう返事をしている間に、ななは教室から出て行ってしまってた。
…これで、終わり、かな…。
不眠不休で、キミを思っても…。
キミは返事をくれないどころか、俺の方も向いてはくれない。
だから、心底疲れてしまって…。
「ねぇ、仁?俺、どうすればいいんだろ…」
ほとほとこの想いのやり場に困ってしまい、そう仁に投げ掛けた。
そんな俺の肩をべしっと叩いて、
「ばかやろ。一回シャキッとしろよ」
と喝を入れてくる。
「うん、さんきゅ、仁」
そう言って拳を出すと、
「あぁ、頑張れよ」
と、こつんと拳を合わせてくれた。