【完】恋愛モノポリスト
キミを誰にも取られたくないと思うのに。
キミを諦める為には、キミの恋を応援するしか術がなくて…。
俺は、制服のポケットに入れてたスマホを取り出し、久し振りにメールアプリを開いてななへとメールを送った。
__なな、今までしつこくて、ごめん。謝るから…ムシ、しないで下さい__
自分でもなんて女々しいんだろうかと思う。
けれど、もうこれ以上ななと話が出来ないのは、正直耐えられなかった。
終業式を終えて、皆でぞろぞろと廊下を歩いていたら、教室の入り口で少しムスッとしたななが立っているのが見えた。
「なな?」
「卑怯だよ。あんなメール打つとか。丸っきり私が悪いみたいじゃん」
「…ごめん」
「それは、いいよ。まぁ…ムシした私も悪いし。てか、りょーたも悪いんだからね?全然自分のこと話してくんないし…。私達幼馴染なのにさ」
そんなななの言葉にズキンズキンと胸が痛む。
でも、その痛みをなんとか押さえて、俺は精一杯の笑顔を作って言いたくない言葉を口にした。