【完】恋愛モノポリスト
第4章「端っこほどの推知」side:菜々香
歯痒い空間
今年最後で二学期最後の委員会の仕事を終えて、一人帰ろうとした時。
「なな、ちょっといい?」
「あれ?綾乃、もしかして待っててくれたの?」
「まぁ、それもあるけど。大事な話があるの」
その真剣な瞳に私は昔から弱い。
…なんか、やな感じがするんですけども。
そう思いながらも、どう考えても抗えない綾乃の視線に、諦めの溜息を一つ吐いてから、
「分かったよ」
と返事をした。