【完】恋愛モノポリスト
「けど…」
「けども、へったくれもないよ。何があったの?その辺をちゃんと説明してくれるまでは、今日は帰さないからね!」
キッとアーモンド型の大きな瞳に睨みつけられて、私は小さく「ひっ」と声を上げた。
__この分だと本気で帰してもらえない。
そう思った私は、覚悟を決めて、1から順を追って自分の気持ちを綾乃に伝えることにした。
それは、もう…真面目に、本気で。
なのに、私の話を全て聞き終えて綾乃は暫く黙ったあと、何かを考えるような表情をチラリと見せた。
「あ、綾乃?」
「はぁぁぁ。あんた、ほんっとにバカね」
「なっ?!」
人が大真面目に恥を忍んで話したというのに、バカとはなんだと非難する前に。
「バカはバカでしょ。薬飲んだって効きやしない」
と、もう一度深い溜息を吐かれてしまった。