【完】恋愛モノポリスト
…青木先パイを好きだと言いながら、最初はドキドキしたりキャーキャーしてたかもしれないけど…心のどこかに必ずろりょーたがいて。
りょーたの事を考えてた。
私、先パイが好き、なんだよね…?
そんな疑問は人に指摘されなくても自分でよく分かった。
だけど、「好きじゃない」と認めてしまったら、何かがガラガラと音を立てて崩れていきそうで。
__ダメ、だと思ってた。
なんでこんなに、罪悪感に見舞われなきゃなんないのか。
その理由が、自分の事なのに、全く分からない。
自分の事が分からないのが、とてつもなく、怖い…。
「あぁ!もう!なんなんだ!この気持ち、訳分かんない!!」
制服を乱暴に脱ぎ捨てて、私服に着替えてから、私はベッドの上で体育座りをして、そこに顔を埋めた。
窒息しそうなこの歯痒い空間。
もしも、キミが手を差し伸ばしてくれたなら…。
どんなにか、楽になれるだろう?
こんな我がままを聞き入れてもらえはしないのに。
ぐぅっと天井に手を伸ばして、救いを求める。
ねぇ、りょーた?
今でもまだ、間に合うかな?
次に逢った時は必ず「ごめん」ていうから…。
だからどうか、逃げないでいて。